AJA は、新製品 OG-ColorBox を発表しました。同製品は、カラーマネジメント、変換のためのツールセットと直感的なウェブ UI を openGear フォームファクターに詰め込んだデバイスです。併せて、ColorBox ファームウェア v3.0 のアップデートも発表されています。
最新の openGear ソリューションで、柔軟性が高く、高密度、超低遅延のライブプロダクション向けカラーマネジメントワークフローや変換ワークフローを実現。ColorBox ファームウェア v3.0 で新機能を提供
AJA は本日、新製品 OG-ColorBox を発表しました。同製品は、カラーマネジメント、変換のためのツールセットと直感的なウェブ UI を openGear フォームファクターに詰め込んだデバイスです。併せて、ColorBox ファームウェア v3.0 のアップデートも発表されています。OG-ColorBox はライブプロダクション向けに以下の機能を提供します。
- 超低遅延
- 高密度 4K/UltraHD ハイダイナミックレンジ (HDR) 、 ワイドカラーガマット (WCG) ビデオ処理
- 豊富な HDR/WCG 変換オプション
- カラー補正
- カスタムルックアップテーブル (LUT) 処理
これらの強力な機能セットにより、プロダクションでは、特殊なカメラのカラーコレクションから、カメラの Log 処理、SDR と HDR のリアルタイム変換など、ライブプロダクションの抱えるほとんど全てのカラー要件に自信を持って対応できます。
AJA 社、社長 Nick Rashby 氏は次のように述べています
「ライブプロダクションで求められるビジュアルの基準は、特にライブイベントで HDR やシネマティックなワークフローが一般的になるにつれて、ますます高くなっています。先進的なフォーマットのコンテンツを視聴者に届けるためには、制作時や配信時のルック管理や色変換をより高い柔軟性で行えるパイプラインが必要になっている点が課題となっています。
OG-ColorBox は、これらの課題を軽減するためのツールを豊富に提供します。受賞歴もある ColorBox の素晴らしい機能セットを、高密度で業界標準の openGear フォームファクターに統合しました。これにより、複数のカラーマネジメントおよびルック管理の方法に対応し、単一マスター HDR ワークフローによる SDR と HDR 間の変換を実現します。カスタム LUT を使用したリアルタイム変換など、前例のない低遅延で実現します。」
OG-ColorBox は、ビデオラインの半分未満の遅延を誇り、4K/UHD HDR ワークフローであっても 12G-SDI 接続を用いた最大 4:2:2 10 ビット 60p の高品質なビデオ処理を超低遅延で実現します。カスタム LUT 処理や標準的なカラーコレクションツールを含む、組み込みの HDR/WCG 変換機能により、豊富なカラー変換を実現します。また、UltraHD から 1080p へのダウンコンバージョンも可能で、1 つのステップに追加処理を統合できます。
AJA パートナー企業でもある Cyanview や Skaarhoj の製造するサードパーティ製リモートコントロールパネルと統合されていて、同時に複数の ColorBox カラーコレクターを物理的なノブを使って簡単に操作できます。
OG-ColorBox は、冗長電源を備えた 2RU の openGear フレームで最大 10 チャンネルの UltraHD または HD 処理が可能です。スタジオ、撮影車、イベント会場、フライパックで活用でき、スペースと電力消費を抑えられます。
OG-ColorBox を使用すると、LUT の読み込みや、NBCU および ACES からのビルトインオプションを使用した SDR/HDR 変換が簡単に行えます。また、追加のライセンスを購入すれば、より多くのカラープロセッシングパイプラインにも対応します。
統合済みの AJA Color Pipeline は、33 ポイント 3D LUT プロセッサーと四面体 LUT 補間機能を利用できます。その他にも 4 つの 1D LUT を備えており、ユーザーが定義した LUT または RGB カラーコレクターとして個別に設定が可能です。
さらに ProcAmp として個別に使用可能な 2 つの 3x3 マトリックスも備えています。Academy/ASC Common LUT Format (CLF) ファイルおよび、Autodesk 製品 (Maya、Flame、Lustre など) のネイティブフォーマットとして採用されている Color Transform Format (CTF) ファイルにも対応しています。
さらに OG-ColorBox は、ACES AMF パイプラインを構成できます。ユーザー自身で入力または出力、もしくはその両方のトランスフォームを上書きする際、それら以外の AMF トランスフォームを維持できます。また AMF を含まない場合でも、入力および出力トランスフォームは設定できます。この汎用 ACES モードでは、ユーザーが ACES v1.3 の入力および出力デバイストランスフォームを選択でき、さまざまなカメラ Log 入力を SDR、HLG、PQ に迅速に変換できます。
OG-ColorBox オプションの Colorfront アドオンを使用すると以下の機能が利用できます。
- TV モード : Sony SLog3 を使用
- Live モード : ARRI 35 LogC4 Wide Gamut 4 WVO に対応
- SDR to Dolby Vision Preview モード : Colorfront Transkoder との組み合わせにより、コストを抑えながら HDR/Dolby Vision コンテンツ制作を効率化
OG-ColorBox の SDR to Dolby Vision Preview モードと Colorfront Transkoder のシンプルな組み合わせで、ハイライトとコントラストの調整が行えます。カラリストが SDR でカラーグレーディングを行う際、同時に Dolby Vision HDR がどのように見えるかをリアルタイムでプレビューできます。その後、Transkoder で適切な Dolby Vision メタデータを用いてエンコード可能です。これにより、Dolby Vision HDR でグレーディングされたコンテンツを迅速に作成でき、オリジナルと派生の SDR コンテンツ間のイメージを正確に比較、調整、合致させられます。このツールは主にプレビューのために使用されるケースを念頭に開発されていますが、ライブプロダクションで SDR から HDR へ変換を行う際にも使用でき、視覚的に一致する HDR 出力を生成できます。
追加のライセンスオプションには、浮動小数点演算を使用して補間誤差を排除する ORION-CONVERT や、業界標準の BBC HLG LUT も用意されています。すべてのライセンスオプションは、適用前にも出力にウォーターマークが入った状態でテスト可能です。
OG-ColorBox の主な機能
- 超低遅延により、ソースをダウンストリームスイッチャーのタイミングウィンドウ内に保持
- 冗長電源オプションを備えた信頼性の高い openGearフレームで、ライブプロダクションの中断を防止
- 堅牢な AJA Color Pipeline による画像の操作 / 補正時に、より多くの処理ノードを適用可能
- 組み込みの SDR および HDR トランスフォーム、NBCU LUT、および構成可能な ACES AMF への対応により、包括的で使いやすい基本的な変換ツールセットを提供
- Colorfront、ORION-CONVERT、および BBC HLG LUT の各ライセンスオプションにより、広範なアプリケーション向けのカラー処理に対応可能
- 12G-SDI 入出力を用いた 4K/UltraHD および 12 ビット RGB 4:4:4 ワークフローに対応し、高解像度で高画質な映像を実現
- 単一の処理ノード内でカラーコレクションと同時に 4K/UltraHD から 1080p へのダウンコンバージョンを低遅延で実現
- HDMI 2.0 出力端子を搭載し業務用または民生用のモニターに 4K/UltraHD HDR コンテンツをスムーズに出力
- チャンネルベースのプリセットによりエラーを低減、プリセットは、数ステップで作成、保存、呼び出し可能で、複数の OG-ColorBox 間での共有も実現
- 強力なテストパターンジェネレーターを搭載し、広範なテストパターンを利用可能、あらゆるビデオフォーマットとフレームレートの設定や信号パスの検証を迅速化
- ダウンストリームキーヤーのように、カスタム画像を重ねて表示する強力なオーバーレイ機能
- ANC メタデータ管理機能により HDR VPID および Infoframe 信号を管理、その他の ANC メタデータはすべてパススルー
- 広範な API/SDK によりさまざまなサードパーティ製品に対応
- カラーコレクションハードウェアコントロールパネル : Cyanview、Skaarhoj
- オンセットルック管理ソフトウェア : Assimilate Live Looks、Live Assist、Pomfort Livegrade、QTAKE
- モニターキャリブレーションソフトウェア : Portrait Calman、ColourSpace Light Illusion
価格と販売時期
OG-ColorBox の多くの機能を ColorBox デバイスに追加する ColorBox v3.0 は、2024 年 10 月に無料でダウンロード可能となる予定です。これには、新たに搭載される SDR to Dolby Vision Preview モード、Colorfront ライセンスで使用可能な Live モード時の ARRI Alexa 35 LogC4 Wide Gamut 4 WVO への対応も含まれます。このアップデートには、ColorBox のユーザーは、任意に構成可能な ACES AMF パイプラインの追加、.CLF および .CTF ファイルへの対応、SDI および HDMI 出力のカラースペースおよびビット深度の設定機能など、その他の改善点も盛り込まれています。
OG-ColorBox は、全世界の AJA 販売代理店ネットワークを通じて、2024 年 10 月より販売開始の予定です。OG-ColorBox のメーカー希望小売価格は 421,300 円 (税込) です。
OG-ColorBox と同時に以下の Colorfront / ORION-CONVERT / BBC HLG LUT のライセンスも購入可能になります。
- CB-LIC-CF : 187,000 円 (税込)
- CB-LIC-OC : 130,900 円 (税込)
- CB-LIC-BBC : 27,170 円 (税込)
ColorBox の詳細は、オランダのアムステルダムで 2024 年 9 月 13 日から 16 日にかけて開催される IBC 2024 (RAI、ホール 7、スタンド B.19) でご覧いただけます。
AJA Video Systems 社について
1993 年の創業以来、AJA Video Systems 社は放送、映画、プロ AV、ポストプロダクション市場向けの最先端テクノロジーの大手メーカーです。同社は、強力で柔軟なビデオインターフェイスおよび変換テクノロジーや、デジタルビデオ収録、カラーマネジメント、ストリーミング、リモート制作ツールなどを開発しています。AJA 製品の設計・製造はカリフォルニア州グラスバレーにある自社の施設内で行われ、世界中のリセラーやシステムインテグレーターを通じて広範囲なチャネルに販売されています。詳細については、同社のウェブサイトをご覧ください。
- ウェブサイト : www.aja.com
- ウェブサイト [日本語] : www.aja-jp.com
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当資料は、現地時間 2024 年 9 月 13 日にメーカー発表されたプレスリリースの抄訳版です。
メーカーリリース原文 : https://www.aja.com/news/story/2271-aja-launches-new-opengear-og-colorbox-and-colorbox-v30-update-at-ibc-2024
本リリースに関する問い合わせ先
AJA-JPメールアドレス : announce@aja-jp.com
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