はじめに
AJA の ColorBox は、放送局、ライブイベント、撮影現場での変換ニーズを満たすために設計された、カラーマネージドワークフロー用のコンパクトで高性能なコンバーターです。SDR (スタンダードダイナミックレンジ)、HDR (ハイダイナミックレンジ)、WCG (広色域) 信号に対応し、12G-SDI または HDMI 2.0 ケーブル 1 本で、4:2:2 10bit 60p または 4:4:4 12bit 30p までの 4K/UltraHD HDR に対し、独自の色処理パイプラインを実現し、さらにダウンコンバージョン機能も備えています。
四面体補間による 33 点 3D LUT プロセッサを中心に構築された AJA Color Pipeline は、4 種類の 1D LUTと 2 種類の 3x3 マトリックスを扱えます。それらはプロセスアンプまたは RGB カラーコレクタとして個別に設定できます。カラー処理オプションは、ウェブユーザーインターフェイスを通じ簡単に管理できます。有線イーサネット接続、またはサードパーティ製 Wi-Fi USB アダプターを使用すれば無線接続でアクセス可能です。
ColorBox には、Colorfront や NBCU LUT による処理パイプラインモードや、強力な AJA Color Pipeline が搭載されています。また Colorfront エンジン、BBC HLG LUT や最新の ORION-CONVERT エンジンなど、高度なカラーマネージメントワークフローに適応するアップグレードオプションライセンスも用意されていて、ColorBox の機能を拡張できます。ORION-CONVERT 独自のリアルタイム浮動小数点演算アプローチは「色と色の間の色にアクセスする」ため、より精度の高い結果を得られます。ピクセル単位での完璧な色変換を実現し、色の維持の重要度が高いビデオの受け渡しが安心して行えます。
最新版では、ACES メタデータファイル (AMF) 対応の ACES パイプラインを実装しました。内部の AMF 処理は OpenColorIO (OCIO) に基づいています。
ColorBox は、ユーザーが定義可能なテキストフィールドや、ロゴやフレームラインといったユーザーがアップロードした画像、などの情報をビデオ出力にオーバーレイ可能です。
また、ColorBox は洗練されたテストパターンジェネレーターとフレーム保存機能も内蔵していて、ワークフローを改善します。最大 4K の 16ビット.tiff ファイルとしてキャプチャできるため最高品質のリファレンス画像が得られます。これらの画像は、ColorBox の本体または、Pomfort 社の Livegrade Pro/Studio や Assimilate 社の Live Looks および ビデオアシストソフトウェア QTAKE などのアプリケーションを実行しているコンピュータに保存できます。
概要
特徴
- 12-bit 4:4:4 12G-SDI 入出力 (最大 4K/UltraHD HDR/WCG 30p)
- 10-bit 4:2:2 12G-SDI 入出力 (最大 4K/UltraHD HDR/WCG 60p)
- 12-bit 4:4:4 HDMI 2.0 出力 (最大4K/UltraHD HDR/WCG 30p)
- 10-bit 4:2:2 HDMI 2.0 出力 (最大 4K/UltraHD HDR/WCG 60p)
- ビデオライン 1/2 以下の超低遅延
- 幅広い AJA Color Pipeline:33pt を中心に構築された四面体補間による 3D LUT プロセッサ
- ノード × 7 とオーバーレイ
- 3D LUT またはダイナミックとしてユーザーが設定可能な 3D LUTプロセッサ × 1
- ユーザが 1D LUT、ダイナミック、カラーコレクタとして構成可能な 1D LUT プロセッサ × 4
- ユーザーが 3x3 マトリックス、ダイナミック、プロセスアンプとして設定可能な、 3x3 マトリックス × 2
- 業界標準のファイル形式に対応、特定の形式への変換不要
- カラースペース、レンジ、伝送特性を設定可能
- フルフレーム LUT 処理
- ノード × 7 とオーバーレイ
- 6 種類のカラー処理パイプライン
- AJA Color
- Colorfront モード (無料、およびオプションライセンス)
- ORION-CONVERT モード (オプション)
- BBC HLG LUT モード (オプション)
- NBCU LUT
- ACES (Beta)
- 4K から 2K、または UltraHD から HD へ SDI および/又は HDMI 出力をダウンコンバート
- HDMI 出力を 4K/2K クロップ
- ビデオプレビューをウェブユーザーインターフェイスから確認
- フレームストア搭載
- 最大 4K/UltraHD でフレームキャプチャと再表示
- 処理前または処理後の画像をキャプチャ
- 最大 4K/UltraHD に対応するテストパターン、14 種類のテストパターンを内蔵
- 出力時に情報をオーバーレイ
- ユーザーテキスト
- ユーザーオーバーレイ
- 入出力信号情報
- パイプライン構成
- 将来の参照用に、オーバーレイした画像をキャプチャ
- ファイル管理用ライブラリーを搭載
- 1D LUT × 16
- 3D LUT × 16
- 3x3 マトリックス × 16
- 画像 × 16
- オーバーレイ × 16
- AMF (ACES Metadata File) × 16
- プリセット管理:パイプラインあたり 10 個のプリセットに加えスタートアッププリセット
- ANC メタデータをパススルー
- 12G-SDI 入出力およびループ出力
- HDMI 2.0 出力
- エンベデッドオーディオをパススルー:SDI 16 チャンネル、HDMI 8 チャンネル
- ARRI Alexa 35 の Wireless Video Optimized LogC4 (WVO) 対応
- 1RU に 4 台収納可能なコンパクトサイズ
- オンセット環境に最適な超静音ファン
- 軽量:0.5 kg (1.0 lb)
- 堅牢なロック式 4 ピン mini-XLR 電源コネクタ、DC 電源搭載
- 未使用時に電力を節約できる電源ボタン
- ビデオ処理バイパス用セレクトボタン
- サードパーティ製品による制御を統合可能な拡張 API
- リモート制御用の埋め込みウェブサーバー
- USB ポートに PC / Mac を接続し、AJA eMini-Setup ソフトウェアから IP アドレスを設定
- 3 年間保証
ハードウェア
高級感のあるデザインが採用された ColorBox のフロントパネルには、以下のインターフェイスが搭載されています。
- 多目的 USB ポート : 初期 IP アドレスの設定またはサードパーティ製 Wi-Fi アダプターの接続に使用
- 選択ボタン : ビデオ処理を手動でバイパスする際に使用
- 電源ボタン : 不使用時に電力を節約
- SDI ロック LED : サポートされている SDI 入力フォーマットのロックを表示
- ステータス LED : ColorBox の状態を表示
背面のインターフェイスは以下の通りです。
- 12G-SDI 入力
- 12G-SDI ループスルー出力
- 12G-SDI 出力
- HDMI 2.0 出力
- 4 ピン mini-XLR 電源端子
- 1GigE イーサネット端子
超静音ファンと適切な位置に配置された通気口は、本体前面から冷気を取り込み、背面から暖気を排出します。ColorBox は最高 50℃ (122℉) までの環境で運用できるよう設計されています。
幅広いアプリケーションとの統合
ColorBox は、近年のワークフローに適応します。
- テレビやコンサートの生中継に対応した 4K/UltraHD の SDR および HDR パイプライン中継車やその他のライブイベントの基幹で ColorBox を使用して SDR 信号を HDR に変換したり、HDR を他の配信フォーマットに簡単に変換できます。ORION-CONVERT や BBC HLG LUT オプションに加え、無償で組み込み済みの Colorfront transforms や NBCU LUT は、HDR ワークフローを管理するために必要なすべてのツールを提供します。SKAARHOJ 社や CyanView 社のコントロールパネルは ColorBox に統合されていて、ハードウェア制御が行えます。
- 撮影現場で DIT またはコンテンツをキャプチャ担当者が直面する、撮影監督、ディレクター、カラリスト、衣装デザイナー、照明デザイナー、オンセットエディターからの要望を満たすためのルック管理とカラーグレーディング。DIT は、デイリー、ポストプロダクション、その他の後の工程後で使用するために、複数のルックを読み込み、必要に応じて調整し、最大 4K のリファレンス画像を保存するワークフローを簡単に管理できます。Pomfort 社の Livegrade Pro と Studio、Assimilate 社の Live Looks/Live Assist に加えて ビデオアシストソフトウェア QTAKE は簡単に統合でき、ColorBox をリアルタイムでネイティブにコントロール可能です。ColorBox 独自のフルフレームプロセッシング機能により、部分的なフレーム LUT 処理が不要になりました。
- モニターキャリブレーション。プロダクションスタジオ、レンタルハウス、制作現場、ポストプロダクションなど、最高品質のディスプレイキャリブレーションが求められる場所ならどこでも、ColorBox が役立ちます。ColorBox は、Light Illusion 社の ColourSpace や Portrait Displays 社の Calman といったサードパーティが ColorBox Frame Store を制御できる豊富な API と、高品質なモニターキャリブレーションに対応する 12-bit RGB テストパッチを出力する機能を備えています。
コンパクトなフォームファクター
ColorBox の幅は、わずか 10cm 程度、奥行きは 19cm 程度です。1RU に最大 4 台の ColorBox をラックマウントでき、DIT カート、フライアウェイキット、機材ラックなど、プロダクションとポストプロダクションの両方の設備に簡単に追加できます。また、重量も 約 500g と軽量で、DIT やモバイル用途に最適です。
パイプライン
ColorBox には、様々なパイプラインが用意されています。それぞれのプロダクションに最適なパイプラインを選択できます。生放送やライブイベントのニーズに特化して設計されたパイプラインも内蔵されています。また AJA Color Pipeline は、あらゆるアプリケーションの変換の各ステップをより柔軟にコントロールできます。Colorfront、BBC HLG LUT や ORION-CONVERT などのパイプラインは、ライセンスの適用前には映像にウォーターマークが表示されますが、オプションのライセンスを購入する前に変換結果を評価可能です。ColorBox は、最大 4K 30p のフル 12-bit 4:4:4、最大 4K 60p の 10-bit 4:2:2 が扱えます。この種のデバイスとしては比類のない豊富なオプションで独自の画像処理能力を提供します。また、12G-SDI と HDMI 2.0 出力の両方にフルバイパスノードが用意されており、素早い比較検討が行えます。
ColorBox には、6 種類のパイプラインが用意されています。
- AJA Color
- Colorfront (いくつかの機能に関しては、ウォーターマークを削除するには、ライセンス購入が必要です)
- ORION-CONVERT (ウォーターマークを削除するには、ライセンス購入が必要です)
- BBC HLG LUT (ウォーターマークを削除するには、ライセンス購入が必要です)
- NBCU LUT
- ACES (Beta)
紹介ビデオ
AJA 社の社長 Nick Rashby 氏とシニアプロダクトマネジャーの Tim Walker 氏による IBC 2022 開催直前の ColorBox 紹介動画です。
概要:インラインカラー変換、パイプライン、処理ノードおよびパートナー企業
ColorBox に搭載されている、新しい AJA Color パイプライン、Colorfront、NBCU、BBC HLG LUT、ORION-CONVERT モードの 5 つのカラーパイプラインの紹介です。
IBC 2022 で発表され受賞歴のある ColorBox は、HDR から SDR へ、SDR から HDR へなどのリアルタイムカラー変換が可能な、撮影現場、ライブ制作、ポストプロダクション向けの次世代のハードウェアカラーマネジメントツールです。
* 上記のビデオではファームウェア v1.0 時点での内容を紹介しています。最新の技術仕様についてはリリースノートを参照ください。
パワフルな AJA Color Pipeline (ACP)
AJA Color Pipeline は、この種のデバイスとしては最も高度なカラーマネジメントツールをユーザーに提供します。7 ノードのリアルタイム処理とオーバーレイにより、ソフトウェアベースのカラーコレクションアプリケーションならではの機能を提供します。これらのノードにより、カラースペース、ビデオレベル、ダイナミックレンジ変換を完全に制御し、カラーマネージドワークフローを最大限に活用できます。ダイナミックノードは、サードパーティアプリケーションによる制御が可能です。
- 7 系統の処理ノードとオーバーレイ
- 12-bit RGB のパイプライン処理
- 3D LUT × 1 : 3D LUT またはダイナミックとしてユーザーが設定可能
- 33pt 四面体補間による 3D LUT プロセッサー
- 1D LUT × 4 : 1D LUT、ダイナミック、カラーコレクターとしてユーザーが設定可能
- 10-bit または12-bit の 1D LUT に対応
- 3x3 マトリックス × 2 : 3x3 マトリックス、ダイナミック、またはプロセスアンプとしてユーザが設定可能
- 業界標準のファイル形式をサポート、特定の形式への変換が不要
- カラースペース、RGB レンジ、伝送特性を設定可能
- フルフレーム LUT 処理
- 12G-SDI および HDMI に対応するフルバイパスノード
このツールセットは、ワークフローを任意に設定可能です。ColorBox のプリセットはインポートとエクスポートができるため、簡単にワークフローを複製できます。
四面体補間による 33pt 3D LUT プロセッサー
33pt 3D LUT は、四面体補間を用いて最高精度の変換を実現しています。3D LUTはフルボリュームのノンリニアカラー調整が可能で、33pt 3D LUT は HDR ワークフローには欠かせません。起こりうるすべてのキャリブレーションエラーに対応できるため、キャリブレーションを行う際に非常に有効です。同様に、ハイエンドの映画やテレビ番組では、ルックの生成、配信、管理に 3D LUT 処理が利用されています。ダイナミックに設定すると、3D LUT は Pomfort 社の Livegrade や Assimilate 社の Live Looks およびビデオアシストソフトウェア QTAKE などのサードパーティソフトウェア経由で完全に制御可能です。
1D LUT
4 種類の 1D LUT により、色処理パイプラインを容易に管理し、最高の画像が得られます。1D LUT は、3D LUT を包含する「シェーパー (荒削りな) LUT」として使用されるのが一般的です。フロントシェイパー 1D LUT は、知覚的に重要な値 (通常は色空間の暗い部分) をマッピングします。その結果を 3D LUT 変換データセットで調整し、より精度の高いイメージに仕上げられます。バックサイドシェイパー 1D LUT は、通常フロントとは逆で、画素の値をオリジナルのダイナミックレンジにマッピングするために使用されます。1D LUT は、対数から線形への変換にも、線形から対数への変換にも有効に活用できます。AJA Color Pipeline では、1D LUT を RGB カラーコレクターとして設定し、3D LUT 処理の前にソースの色補正が行えます。これはライブプロダクションでの一般的なワークフローとなっています。
3x3 マトリックス
ColorBox には 2 種類の 3x3 マトリックスが内蔵されています。そのため、独自の 3x3 マトリックスファイルを使用して、LUT 以外の様々な色処理が実行できます。一般的に 3x3 マトリックスは、カラースペースの変換に用いられます。例えば、RGB と XYZ や YUV、BT.709 や BT.2020 または、その他のパラメーターを持った異なるカラースペースへの変換に使用されます。ホワイトバランスがオフの場合、3×3 マトリックスを信号の色調整に使用できます。また、フィルムのエミュレーションなど、ルックづくりにも利用できます。AJA Color Pipeline では、3x3 マトリックスをプロセスアンプとして設定し、3D LUT 処理の前に信号のゲイン、ブラックレベル、色相、彩度の調整が行えます。これはライブプロダクションでの一般的なワークフローとなっています。
ACES への対応
Academy Color Encoding System (ACES) は、映画およびテレビ制作の一連の工程におけるカラーマネジメントの業界標準です。キャプチャーから編集、VFX、マスタリング、公開/放映、アーカイブおよび将来的なリマスタリングまでを通して、ACES は一貫した色空間を確実にすることで制作者のビジョンを保持します。
ColorBox の最新の色処理パイプラインでは、ネイティブで ACES ワークフローに対応しています。最大 16 個の AMF (ACES Metadata File) ファイルを保存/呼び出しができるため、ACES ワークフローとの統合に最適です。
さらに、Pomfort 社 LiveGrade と AJA ColorBox は初めて共同で、ACES に基づいたワークフローに対応するとして ACES 認定ロゴを取得しました。
ACES について、詳しくはこちらのページを参照ください:https://acescentral.com/
AMF 対応 ACES パイプライン
ACES (Academy Color Encoding System) には、カラーマネジメントへの全体的なアプローチを生み出してきた長年の実績があります。当初より、ACES はアーティストやメーカーと協働し、包括的でありながら使いやすいカラーマネジメントシステムを構築してきました。そして現在、AJA ColorBox に新しく追加されたカラーパイプライン、ACES パイプラインにより、さらに身近になりました。
ColorBox の ACES パイプラインでは、AMF (ACES Metadata File) を使用します。
ACES による AMF (ACES Metadata File) の定義:"AMF は ACES パイプライン向けの、詳細なセットアップが可能な設定ファイルです。基本的な狙いに加えて AMF は、ワークフローおよびワークフロー内で使用されているツールのエコシステム全体にわたって一貫性を保つために、設定パラメーターの伝送や交換する選択ツールでもあります。"
AMF ワークフローでは、映像制作プロセス全体を通した色の相互運用性をより良くするために、情報のやり取りにも対応しています。1 つの AMF ファイルは、入力の変換、ルックの変換、および出力の変換(例えば カメラ log > ルックが適用される ACES > ディスプレイ出力)といった ACES パイプラインに必要な情報を、1 つの XML ファイルとして含んでいます。そのため、同じプロジェクトの作業を行なっているオンセットチームからポストプロダクションチーム、最終的なグレーディングのチームまで簡単に共有できます。
- OpenColorIO (OCIO) に基づくパイプライン
- 12G-SDI および HDMI 用のフルバイパスノード
Colorfront パイプライン
ColorBox の HDR/WCG 制御機能は、Colorfront Engine の映像および色空間処理アルゴリズムを利用しています。Colorfront Engine は、AJA が Colorfront 社から特別にライセンスを受けていて、Colorfront 社 の CTO Bill Feightner 氏と主任技術者 Tamas Perlaki 氏によって開発されました。Colorfront は、HDR の制作現場での使用を想定した全自動の SDR と HDR 間の色変換処理パイプラインを提供します。Colorfront パイプラインには以下が含まれます:
- SDR、HLG、PQ 変換を内蔵
- TV モードおよび Live モード (オプションライセンス)
- 放送用に最適化された変換
- 知覚的な完全性を維持
- 12G-SDI および HDMI 用のフルバイパスノード
- HDR テレビ番組制作に一般的に利用される ITU BT.2408-0 に対応
NBCU LUT パイプライン
NBCU LUT は、NBCUniversal Media 社 が Cromorama 社と共同で開発されました。シングルマスターから HDR と SDR を同時に制作するライブ制作ワークフローを実現します。テレビ放送局向けに設計された NBCU LUT には、SDR、HLG、および PQ LUT が含まれていて、核となる SDR 放送データは維持したまま、HDR のダイナミックレンジとカラーボリュームを最大化します。
- SDR BT.709 でのわずかなラウンドトリップ (round-tripping)
- ライブビデオシェーディング向けの自然なラティテュードを持ったニーになるよう考慮された変換設計
- シーンライトとディスプレイライトの変換
- SDR、HLG、PQ 変換
- 33 ポイント四面体 3D LUT 補間を採用
- プロセスアンプとカラーコレクタ
- 12G-SDI および HDMI 用のフルバイパスノード
- HDR テレビ番組制作に一般的に利用される ITU BT.2408-0 に対応
NBCU LUT 変換
- 1-NBCU_SDR2HLG_DL_v1.1 : SDR UpMap からディスプレイライト基準の HLG に変換
- 2-NBCU_SDR2HLG_SL_v1 : SDR からシーンライト基準の HLG に変換
- 3-NBCU_HLG2SDR_DL_v1.1 : HLG からディスプレイライト基準の SDR に変換
- 4-NBCU_SDR2PQ_DL_v1 : SDR UpMap からディスプレイライト基準の PQ に変換
- 5-NBCU_PQ2SDR_DL_v1 : PQ からディスプレイライト基準の SDR に変換
- 7-NBCU_HLG10002PQ_v1 : HLG 1000 Nits から PQ に変換
このツールセットは、HDR ワークフローを任意に設定可能です。ColorBox のプリセットはインポートとエクスポートができるため、簡単にワークフローを複製できます。
ライセンスオプション
ColorBox は、主要なサードパーティーデベロッパーや放送局の SDR/HDR WCG 変換を使用して、ワークフローをさらに強化する方法を数多く提供しています。必要なオプションだけを追加できるため、ColorBox は非常に高い費用対効果を発揮します。
Colorfront パイプライン (オプションライセンス)
Colorfront の新しい TV モードと Live モードは、FS-HDR に加えて ColorBox でもオプションライセンスとして利用可能になりました。TV モードは放送向けに直感的で使いやすいカラー処理エンジンとなっており、SDR、HLG および PQ 変換が搭載されていります。
追加のライセンスにより、色変換において欠かせない要素をより幅広く制御可能にする新しい Brightness、Highlight、Super Highlight および Colorfulness(色彩)の調整ツールが利用可能になります。このことにより、クリッピング時のアーチファクトを起こすことなく、かつ色彩、色相、彩度を保持したまま Colorfront の知覚に基づいた処理範囲内で制御された補正を行うことができます。TV モードではライセンスアップグレードにより Sony S-Log3 変換にも対応するため、現行のライブ制作現場においても有利です。
同じライセンスオプションで、Colorfront Live モードも有効になります。このモードでは、多数のカメラ Log フォーマットから SDR、HLG、PQ や 新しい ARRI LogC4 まで対応しています。
*オプションライセンス費用については、販売店にお問合せください。
Colorfront Engine TV モード
Colorfront Engine TV モードでは、テレビ放送制作現場でのハイライトおよびロールオフ調整向けによりシンプルで厳選された変換処理が用意されています。
- 変換:SDR、HLG、PQ および Sony S-Log3
- ハイライトおよびロールオフ調整:Brightness、Highlight、Super Highlight
- Colorfulness control (カラフルネス/彩度制御):ハント効果の調整向け
- Roundtrip 設定:反復処理によって技術的に整合しているかどうかを確認
- R (赤)、G (緑)、B (青) およびマスターカラーの、リフト、ガンマおよびゲインの調整
- 露出、色温度、色合いによるカメラ補正の調整
Colorfront Engine Live モード
Colorfront Engine Live モードでは、放送、OTT、A/V またコンサート会場や劇場などのライブ制作現場向けの変換や制御が用意されています。
- 変換:SDR、HLG、PQ および Sony、ARRI、RED、Panasonic および Canon カメラ Log
- HDR Log Look、SDR Softness、HDR Amount、Ambient Light Compensation (環境光補正)、 P3 クランプ
- R (赤)、G (緑)、B (青) およびマスターカラーの、リフト、ガンマおよびゲインの調整
- 露出、色温度、色合いによるカメラ補正の調整
- SDR プレビュー
ORION-CONVERT パイプライン
ORION-CONVERT は、Cromorama 社のカラーサイエンスの力を、ハードウェアベースのリアルタイム変換にもたらします。このカラーサイエンスは、エミー賞にノミネートされ、IBC 2021 特別賞を受賞した NBCU LUT ベースの HDR-SDR 放送ワークフローに基づいています。このワークフローは、UEFA ユーロ 2020、東京五輪 2020、FIFA 2021 Arab Cup、北京冬季五輪 2022、FIFA 2022 カタールワールドカップなどを担っています。
ORION-CONVERT により、放送局は単一のマスター HDR ワークフローから HDR や SDR のコンテンツの制作、配信ができるようになります。厳格な調整が行えるため、制作環境に合わせた適切な変換設定を実現します。HDR から SDR への変換を行う際、HDR と SDR のリファレンスのアンカーポイントを設定できるため、プログラムアウトする SDR の映像を市場で求められている SDR の表示方法に合致させられます。カメラシェーダー向けに 200 ニッツの SDR を目標にしたり、家庭の視聴者向けにより鮮やかな HDR 画像を提供したり、100 ニッツの SDR で知覚的に一致するようにも設定できます。また、HDR から SDR への変換では、独自の 2 段階ニー設定機能により、HDR のみ変換前に圧縮したり、SDR のみ変換後に圧縮したりできるため、非常に効果的に管理できます。新しいガンマ補正機能ではオプションの OOTF (ITU-R BT.2408-5 の 5.1 項に記載) を適用し、SDR と HDR の主観的な見え方の変化を補正するため、異なるカラー変換原理間での互換性を確かなものにします。
- 浮動小数点演算を利用した、より高精度な変換結果
- SDR、HLG、および PQ 変換に対応
- シーンライトモード、ディスプレイライトモード
- 変換前後の圧縮・展開が行える 2 段階ニー調整機能
- HDR から SDR に変換する際の圧縮率制御
- SDR から HDR 変換時の拡張量制御
- SDR と HDR のリファレンスアンカーポイントを設定可能
- 表示する光量の変換向けに HDR ピークニットでシステムガンマを設定可能
- ガンマ補正機能:SDR と HDR の主観的な見え方の変化を補正
- ピクセルパーフェクトなデータの受け渡しを簡単に構成可能
- クランピングオプション
- 12G-SDI および HDMI 用のフルバイパスノード
- HDR テレビ番組制作に一般的に利用される ITU BT.2408-0 に対応
このツールセットは、HDR ワークフローを任意に設定可能です。ColorBox のプリセットはインポートとエクスポートができるため、簡単にワークフローを複製できます。
*オプションライセンス費用については、販売店にお問合せください。
BBC HLG LUT パイプライン
BBC HLG LUT パイプラインによる追加機能により、現場で実証された HDR 変換オプションが利用できます。特定の変換基準を満たす必要があるテレビ局などに対応します。このモードでは、RGB カラーコレクターとプロセスアンプを搭載し、変換前の信号を色補正します。
BBC HLG LUT v1.7 パイプラインは、ライセンスの追加によりご利用いただけます。
- SDR、PQ、S-Log3 から HLG への変換
- HLG から SDR、PQ への変換
- シーンライトおよびディスプレイライトの変換
- 33 点四面体 3D LUT 補間機能
- プロセスアンプとカラーコレクター
- 12G-SDI および HDMI 向けフルバイパスノード
- ITU BT.2408 による数学的 HLG HDR ダイナミックレンジのマッピングに対応
BBC HLG LUT コンバージョン
- SDR シーンリファード (SR) から HLG に変換
- SDR シーンリファード (SR) から HLG Strict に変換
- SDR シーンリファード (SR) UpMap から HLG に変換
- SDR シーンリファード (SR) UpMap から HLG Strict に変換
- SDR ディスプレイリファード (DR) から HLG に変換
- SDR ディスプレイリファード (DR) UpMap から HLG に変換
- SDR BT.2020 ディスプレイリファード (DR)から HLG に変換
- SDR BT.2020 ディスプレイリファード (DR) UpMap から HLG に変換
- PQ 1000 ニットディスプレイリファード (DR) から HLG に変換
- PQ 4000 ニットディスプレイリファード (DR) から HLG に変換
- S-Log3 100% シーンリファード (SR) から HLG に変換
- S-Log3 200% シーンリファード (SR) Live から HLG に変換
- HLG から SDR シーンリファード (SR) に変換
- HLG から SDR シーンリファード (SR) Strict に変換
- HLG から SDR ディスプレイリファード (DR) Color Appearance Model (CAM) に変換
- HLG から SDR ディスプレイリファード (DR) Super White に変換
- HLG から PQ 1000 ニットディスプレイリファード (DR) に変換
- HLG から SDR BT.2020 ディスプレイリファード (DR) Super White に変換
- SDR シーンリファード (SR) から HLG 、さらに SDR ディスプレイリファード (DR) へ変換
このツールセットは、HDR ワークフローを任意に設定可能です。ColorBox のプリセットはインポートとエクスポートができるため、簡単にワークフローを複製できます。
*オプションライセンス費用については、販売店にお問合せください。
超低遅延
ColorBox の処理は超高速です。レイテンシーはビデオライン 1/2 以下で、ライブ信号を処理しリアルタイムに出力します。多くのプロダクションスイッチャーで求められる±1/2 ラインの入力タイミングに対応します。また、ライブイベント制作など全フレームの同期や映像処理の低遅延が求められる現場では、リップシンクの問題を軽減できます。IMAG から LED ボリューム、インカメラ VFX まで、あらゆる用途に対応します。
4K/UltraHD ダウンコンバージョンおよび 4K/2K クロップ
新しいダウンコンバージョン機能は SDI 出力と HDMI 出力のそれぞれで個別に変換ができ、すべてのパイプラインで設定可能です。この機能により、SDI または HDMI もしくは両方の出力を低解像度にダウンコンバートすることができます。フル 4K を 2K に、または UltraHD を HD (1920x1080) に変換します。例えば、4K または UltraHD の高解像度カメラの出力を利用しつつ、オンセットのモニタリング向けには HD を使用する、といった使い方も可能です。
また新たに、フル 4K や 2K 解像度に対応していない HDMI モニター向けに、HDMI 出力において 4K/2K クロップ機能も追加されました。このクロップ機能では ColorBox は映像をセンターでクロップし、スケールされていない映像として HDMI 出力するため、様々な UltraHD および HD モニターとの互換性をもつことができます。
4K/UltraHD フレームキャプチャおよびリコール
ColorBox は、驚くべきフレームキャプチャ機能とリコール機能を持ち、最大 4K/UltraHD 16-bit の .tiff ファイルを扱えます。処理前または処理後のリファレンス画像をキャプチャできます。VFX の合成チェック、テイク間のルック比較による一貫性の確保、一般的なリファレンス画像の取り込み、呼び出し、色処理パイプラインの検証のためのインポート/エクスポートなど、様々な用途で使用できます。フレームは ColorBox の内部に保存され簡単にアクセス可能です。Livegrade や Assimilate などのサードパーティソフトウェアを実行しているコンピュータへの直接保存も行えます。ColorBox の内部には、最大 16 枚のフル解像度画像をキャプチャし再表示できます。画像には、必要に応じてオーバーレイを含められます。画像の解像度が目的のフォーマットと一致しない場合、Colorbox で拡大縮小可能です。
テストパターンジェネレーター
ColorBox は、アクティブな入力を必要としない、標準的なテストパターンの出力も可能です。ColorBox のテストパターンは、ソース信号ではなくテスト信号が必要な様々な場面で使用できます。テストパターンは、4K/UltraHD を含む様々なビデオフォーマットやフレームレートを設定して出力できます。
RGB カラーコレクションとプロセスアンプ
AJA Color Pipeline では、1D LUT を RGB カラーコレクターとして、3x3 マトリックスをプロセスアンプとして構成可能です。そのため 3D LUT 変換の前または後にソースの色補正や画像の制御を実行でき、最適な変換が行えます。BBC HLG LUT と NBCU LUT のパイプラインは、3D LUT 処理の前に RGB カラーコレクターとプロセスアンプを利用できます。
高度なアンシラリーメタデータ管理とオーバーレイ
ColorBox は選択したメタデータやユーザーデータを、ライブで使用する際に映像に重ねたり、後日使用するために .tiff ファイルとしてキャプチャーしたり埋め込んだり、アンシラリーメタデータを次のデバイスに渡したりできる、強力な機能を搭載しています。アンシラリーデータを保存しておけば、その画像を作ったカメラの設定やパイプラインの構成などを即座に呼び出し可能です。また、ColorBox はカスタマイズ可能なユーザーテキストフィールドを備えており、カメラ側でカメラやレンズの情報を提供できない場合でも、確認時に伝える必要のある情報を手動で入力し、画像に重ねられます。
ショットを構成する際には、カメラのメーカー、センサーサイズ、レンズの種類、アスペクト比など、様々な要素を考慮する必要があります。撮影現場でフレームラインを確認できるため、ショットの合成が適切に行われているかを最適なタイミングで確認でき、プロジェクトの制作を円滑にすすめることができます。ColorBox に新しく追加されたユーザーオーバーレイ機能により、任意の画像を取りこんでビデオ出力にオーバーレイすることも可能になりました。フレームラインやロゴといった .png ファイルの画像を Overlay ライブラリにインポートし、単体もしくは既存のオーバーレイ情報合わせて呼び出すことができます。
ユーザーテキストおよびユーザーオーバーレイは、オーバーレイの一部としてキャプチャ画像に保存可能です。入出力信号の VPID、タイムコードの有無、クローズドキャプション(字幕)の有無、パイプライン設定の情報もオーバーレイ可能です。HDMI 出力のインフォフレームの状態も UI から確認できます。
最大級のオンボードライブラリ
ColorBox は、同クラスのデバイスの中で最大級のライブラリ容量を持ち、制作パイプラインのどこでも、クリエイティブな選択肢を豊富に提供します。あらゆる撮影に合わせた設定を簡単にアクセスしやすい画面に保存でき、撮影後には同じ設定を簡単に呼び出せます。各カテゴリーごとに 16 個のオンボードメモリースロットが用意されていて、1D LUT、3DLUT、3x3 マトリクス、画像ファイル、オーバーレイ、AMF ファイル を保存できます。
パイプラインのプリセットは 1 パイプラインあたり 10 個まで保存でき、すべてのプリセットは ColorBox へのインポートや ColorBox からのエクスポートが行えます。パイプラインプリセットには、変換の構成を複製するために必要なすべての設定が保持されます。また、スタートアッププリセットとして、電源投入時に自動的に読み込むプリセットを任意に選択可能です。毎回、設定した状態で起動します。AJA Color Pipeline のパイプラインプリセットは、有効になっているかどうかに関わらず、パイプラインに読み込まれたすべてのファイルを保持し、設定やデバイス間の転送を簡単に行えるようにします。
ARRI Wireless Video Optimized LogC4 (WVO) 対応
ARRI ALEXA 35 カメラは、これまでの ARRI デジタルカメラよりも 2.5 ステップ多い 17 ステップのダイナミックレンジをキャプチャーします。このダイナミックレンジの拡張は撮影監督にはうってつけです。しかしながら、LogC3 には含まれないため、新しいエンコーディングを作らねばならず、それが LogC4 です。LogC4 はこれまでと異なる形で信号をエンコードし、とても低いコントラストの信号として現れます。そのため、いくつかのワイヤレストランスミッターやレシーバーでは適切に処理できずボンディングやアーチファクトが出てしまう場合があります。
Wireless Video Optimized LogC4 (WVO LogC4) は、ALEXA 35 からの SDI 出力向けの中間エンコードです。ワイヤレスビデオトランスミッター経由で LogC4 を伝送する際に、モニタリング時のビデオ品質を向上させるために設計されました。WVO エンコードは、ALEXA 35 にオプションで実装されています。ARRI WVO デコード LUT との整合は、信号を受信し通常の LogC4 に再構築した後に行う必要があります。
そこで ColorBox の登場です。ARRI WVO デコード LUT との整合は、AJA Color パイプラインおよび ACES パイプラインの 1D LUT オプションに実装されています。この機能を ColorBox に実装することで、時間と費用の両方を抑え既存の設備に LogC4 を導入しやすくなります。
有線または無線経由で柔軟に制御
イーサネットケーブルまたは対応するサードパーティ製 Wi-Fi USB アダプタ* を経由して、任意のウェブブラウザからビデオプレビュー付きの直感的なウェブ UI にアクセスし、ローカルおよびリモートで操作が可能です。
*対応アダプタについては、技術仕様をご参照ください。
ColorBox ワークフロー
4K 制作ワークフロー:オンセットルックマネジメント
この制作ワークフローでは、12G-SDI 信号が 4K シネマカメラシステムから ColorBox に渡されています。ColorBox ではフィルムルックをシミュレートした 3D LUT を適用し、HDMI2.0 経由で DIT 用モニターに出力しています。同時に DP のモニターでは、より細微まで確認するために、同一の 3D LUT を適用したビデオを 12G-SDI 経由で表示します。DIT は簡単な操作で適用する 3D LUT を切り替えられるため、作品のイメージに相応しい LUT を選択できます。ColorBox からは、ループスルーで Ki Pro Ultra 12G に接続されていて、LUT を適用しない映像信号を高画質でキャプチャできます。サードパーティツールでは、オンセットカラーグレーディング用カラーデシジョンリスト (CDL) の値をその場で調整できます。
4K 制作ワークフロー:デイリールックのプレイバック
この制作ワークフローでは、Ki Pro Ultra 12G で再生したデイリーを 12G-SDI 出力し、ColorBox に渡しています。ColorBox と一緒にラップトップコンピュータと HDMI2.0 モニターを使用すると、小さな専有面積で強力なソリューションを提供できます。ホテルの一室や小会議室のような狭いスペースでも構築可能です。撮影時に使用した LUT に簡単にアクセスでき、再生時のニーズに合わせて適用できます。調整や異なるルックの適用もリアルタイムで行なえます。
HDR/SDR オンセットカラーグレーディングワークフロー
この制作ワークフローでは、4K カメラの 12G-SDI 出力を KUMO 3232-12G SDI ルーター経由で 2 台の ColorBox A と B にルーティングし、ColorBox A は KUMO 3232-12G 経由で 4K HDR モニターに HDR 映像信号を出力する設定になっています。同時に ColorBox B は、KUMO 3232-12G を経由して、4K SDR モニターに SDR 映像信号を供給しています。HDR と SDR の映像出力をリアルタイムに比較しながら変更を加えられるため、収録された映像をすべての配信フォーマットの要件に最も合致するように予め調整しておけます。そのため、収録後に調整する時間とコストを削減できます。
UltraHD ライブ制作ワークフロー:HDR 変換と管理
このテレビ中継車のワークフローでは、複数の UltraHD テレビカメラシステムの 12G-SDI 出力が、複数の ColorBoxに渡されています。ColorBox ユニットで HDR 変換が行われます。この例では、各入力は HLG で出力され、最新のライブプロダクションのシングルマスター HDR ワークフローに対応します。スイッチャー以降の ColorBox では HLG から SDR や PQ といった異なるフォーマットへの変換を行っています。また、カメラの増設に合わせて ColorBox の増設も容易に行えるため、生産規模の拡大にも対応できます。
4K ポストプロダクションワークフロー、NLE ルックマネージメント
このポストプロダクションワークフローでは、AJA Io 4K Plus の 12G-SDI 出力を ColorBox に直接入力しています。タイムライン出力は Io 4K Plus の出力を通じて ColorBox に出力されます。ここで 12G-SDI のモニター出力に LUT を適用すれば、後工程でレンダリングする必要がありません。これによりエディターは、複雑なレンダリングを待つ必要がなく、軽快にルックを確認し、判断が行えます。
ColorBox マルチカムオンセットカラーグレーディング
この制作ワークフローでは、4K カメラ A と 4K カメラ B の 12G-SDI 出力から 2 台の ColorBox にそれぞれ接続されていて、KUMO 3232-12G で映像をルーティングしています。ラップトップコンピュータでは、ひとつのデスクトップで、ブラウザのタブまたウィンドウをふたつ開き、ColorBox を簡単に管理できるようにしています。ColorBox は KUMO 3232-12G を経由して 1 台の 12G-SDI モニターに接続されています。モニターで ColorBox の変換結果が確認できるようになっており、必要に応じて再調整や設定の保存が行えます。両方のカメラから出力される画を簡単に合わせられるできるので、ポストプロダクションの時間とコストを削減できます。
パートナーとの連携
ColorBox には豊富な機能セットが内蔵のウェブ UI から制御できますが、さらに拡張した機能を利用するために、サードパーティーが独自のネイティブコントロールを開発できる包括的なツールセットを提供します。OpenAPI で定義された RESTful API によりプロトコルは直感的に表示されるため、ColorBox の機能の発見、処理結果の確認、理解が簡単に行なえます。開発者をサポートするために、いくつかの OpenAPI で生成されたプログラミング言語の実装がサンプルプロジェクトとともに内蔵されています。詳しくは ColorBox サポートページをご覧ください。
Pomfort
「Pomfort 社の Livegrade 製品は、要求の厳しいプロダクションに包括的なデジタルイメージングシステムを提供し、ルックマネジメントとオンセットモニタリングを幅広いカメラワークフローとセットアップに統合しています。AJA の ColorBox により、Livegrade で 3D LUT を動的に制御し、Frame Store 経由でフレームグラブを取得、カメラやレンズのメタデータを含むアンシラリーデータをソース信号に含められます。」
- Pomfort 社、製品責任者 Patrick Renner 氏
https://kb.pomfort.com/livegrade/setting-up-devices/setting-up-aja-colorbox/
QTAKE Video Assist
ビデオアシストソフトウェア QTAKE は、AJA Color Pipeline (ACP) モードで 33pt. 3D LUT かつ 4K/UltraHD 解像度に対応した外付けリアルタイムカラー処理デバイスとしてネイティブで AJA ColorBox の制御に対応しています。ColorBox は、現時点で QTAKE が対応している最も高品質な外付けカラー処理デバイスになります。ColorBox 対応機能は、QTAKE Video Assist アプリケーション内に "GRADE" モジュールの一部として提供されています。
Assimilate
「AJA ColorBox は、LUT ボックスを全く新しいレベルに引き上げました。これまでにない洗練されたカラーパイプラインの仕組みを提供します。複数の LUT とカラーマトリックスの組み合わせを直感的なウェブ UI で簡単に操作でき、希望するルックが得られます。ColorBox の Live Looks および Live Assist への対応により、撮影現場へさらに発展したルック管理ワークフローを提供でき嬉しく思っています。」
ー Assimilate社 チーフ戦略ワークローエンジニア Mazze Aderhold 氏
SKAARHOJ
「SKAARHOJ 社は、AJA ColorBox を当社の RCP 放送用コントローラーおよび Blue Pill プラットフォームと統合でき嬉しく思っています。これらのソリューションの組み合わせにより、ベストプラクティスにすぐに対応でき、無限のカラーコントロールの可能性を実現します。」
ー SKAARHOJ 社CEO、創業者、チーフデザイナー Kasper Skårhøj 氏
CyanView
「ライブイベントの制作では、しばしば、カメラのシェーディングはライブの後処理による調整と組み合わさられます。AJA ColorBox は、複数のカメラタイプやブランドを使用する際に正確なマッピングを保証するノードを持ち、ライブおよびポストプロダクションの HRD/SDR ワークフローにかつてない色の忠実度をもたらす柔軟なハードウェア処理ソリューションです。CyanView RCP は、複数の統合機能を組み合わせ、一般的な放送局のワークフローと同様のシームレスなハードウェアインターフェイスを提供し、ColorBox のユーザーがこれらの機能をより直感的にコントロールできるようにします。直感的な操作パネルのボタンと ColorBox の色精度の組み合わせにより、まるでカメラで調整したかのように効率的に後処理が行えます。」
- CyanView 社、CEO 兼創設者 David Bourgeois 氏
Portrait Displays 社 Calman
Portrait Displays 社のディスプレイキャリブレーションソフトウェア Calman では ColorBox の制御に対応することで、プロ向けディスプレイキャリブレーションでは欠かせない高品質のカスタムテストパッチを生成できます。さらに、AJA Color Pipleine では 1D-LUT および 3D-LUT をキャリブレーション時に適用することが可能です。
「世界有数のキャリブレーションソフトウェアである Calman が AJA ColorBox と統合できることに興奮しています。内蔵テストパターンジェネレーターや 1D-LUT と 3D-LUT の両方を用いてディスプレイを最適化する機能により、クリエーターはついに HDMI または SDI 経由でどのディスプレイでも高精度にキャリブレーション可能な洗練されたツールセットを手に入れることができます」
ー Portrait Displays 社 CPO 兼 エグゼクティブバイスプレジデント Scott Anderson 氏
LIGHT ILLUSION
Light Illusion 社のディスプレイキャリブレーションソフトウェア ColourSpace では、ColorBox の制御に対応することで、プロ向けディスプレイキャリブレーションでは欠かせない高品質のカスタムテストパッチを生成できます。さらに、AJA Color Pipleine では 1D-LUT および 3D-LUT をキャリブレーション時に適用することが可能です。
業界をリードするサポート
業界で最高水準だと認識されている AJA のテクニカルサポートを、すべての AJA ユーザーが受けられます。AJAサポートは、ColorBox の導入、設定、操作、または技術的な問題に関してサポートが必要な場合、あらゆる場面で AJA にサポートを仰げます。
ColorBox 製品は、3 年間の国際製品保証が設けられています。