NiTRo、進化した配信スタジオ『M-CUBE』で安定した配信と充実の制作環境を提供

NiTRo、進化した配信スタジオ『M-CUBE』で安定した配信と充実の制作環境を提供

『HELO Plus』による安定した配信と『KUMO 6464』による強力な信号制御で、e スポーツ配信に最適な環境を整備

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株式会社日テレ・テクニカル・リソーシズは、放送に必要なあらゆる技術業務のノウハウを持つ技術プロダクションだ。同社は 2022 年 11 月、e スポーツ配信に最適な環境を整備する目的で、バーチャル演出にも対応する配信スタジオ『M-CUBE』を開設した。同スタジオのオープン当初は、既存の機材を活用して配信システムを構築したが、設備の強化と利用者の拡大を目指して機材を拡充。新システムでは、AJA 社の H.264 配信 / 収録デバイス『HELO Plus』と 3G-SDI ルーター『KUMO 6464』が活躍している。

導入先

株式会社日テレ・テクニカル・リソーシズ (以下、NiTRo) は、テレビ番組制作における技術、ポストプロダクション、CG 技術など、放送に必要なあらゆる技術業務のノウハウを持つ技術プロダクションだ。2022 年 11 月、東京都港区東新橋 (汐留) に位置する NiTRo Post Production Center 内に、バーチャル演出にも対応する配信スタジオ『M-CUBE (エムキューブ)』を開設した。

同スタジオのオープン当初は、既存の機材を活用して配信システムを構築したが、設備の強化と利用者の拡大を目指して、2023 年 7 月に機材を拡充した。新システムには、AJA 社の H.264 配信 / 収録デバイス『HELO Plus』と 3G-SDI ルーター『KUMO 6464』が導入されている。今回、システム構築の背景や機材選定の理由について『M-CUBE』を取材した。

e スポーツ配信に最適な設備・環境の整備と、初心者でもすぐに操作できる機材の選定

e スポーツ配信に最適な設備・環境の整備と、初心者でもすぐに操作できる機材の選定

NiTRo は、日本最大級の格闘技ゲームリーグで運営・制作・配信を担当している。当初は、大会ごとにスタジオを借りて配信していたが、運営の効率化を考慮して、交通アクセスが便利な都心に自社スタジオを設立することにした。元々オンライン編集室であった場所を新装し、配信スタジオ『M-CUBE』としてオープン。スタジオは開設以来、e スポーツのリーグ運営を中心に、国際モータースポーツイベントの配信や、小規模イベントの配信、企業のオンラインセミナーにも利用されている。

スタジオのさらなる発展を目指したシステムのリニューアルでは、e スポーツ配信に最適な設備・環境を整えると共に、誰でも簡単に使用できるシステムの構築が求められた。特に e スポーツ配信では、安定した配信はもちろん、リモートで参加する選手の画面や、多数のテロップを適切なタイミングで表示する必要があり、さらに、複数の CDN (コンテンツデリバリネットワーク) に配信する必要があった。

システム構成

『M-CUBE』は、スタジオ x 1、サブコントロールルーム (副調整室) x 1、設備室 x 1、控え室 x 2 で構成されており、スタジオの撮影用背景は白、紺、クロマキー用の簡易グリーンバックの 3 種類が用意されている。同スタジオは小規模な配信に最適な広さで、e スポーツ配信では実況者と解説者がスタジオから出演し、選手はオンラインで参加することが多い。

カメラ

  • Canon XF605 x 2 台
  • Panasonic AW-UE150K x 1 台

配信エンコーダー

ルーター

  • AJA KUMO 6464 x 2 台 (入力用 x 1、出力用 x 1)
  • AJA KUMO CP2 x 2 台 (KUMOルーター制御用コントロールパネル)

スイッチャー

  • Blackmagic Design ATEM 4 M/E Constellation HD x 2 台 (メイン用 x 1、バックアップ用 x 1)

スタジオのリニューアルに際して、システム構築の中核を担った NiTRo 制作技術センター 制作技術部のテクニカルディレクター/ビデオエンジニア 岩原 正明氏 (写真右) と、ビデオエンジニア 小山 龍一氏 (写真左) に話を伺った。

システム構成

◾️ AJA 社の配信エンコーダー『HELO Plus』による万全のバックアップ体制

NiTRo が担当する e スポーツ配信では、本番用 (メイン) のエンコーダーとして Telestream 社の配信ソフトウェア『Wirecast Pro』を使用している。これは、グループ会社が『Wirecast』を使用していたため、グループ全体での連携を図るために同じシステムを採用した。

予備用 (バックアップ) のエンコーダーには、AJA 社のスタンドアローン型 H.264 配信 / 収録デバイス 『HELO Plus』が採用されている。『HELO Plus』は、SDI と HDMI の入出力に対応し、最大 1080 60p の配信を CDN に送りながら同時収録も行える。2 箇所への同時配信が可能で、配信先毎に個別での設定が可能だ。システム障害などが発生した際には、本番用のシステムから、予備用のシステムへと即座に切り替わるよう設定されている。

岩原氏「機材選定では、NiTRo が担当する e スポーツリーグの配信要件を満たすことが大前提でした。さらに、案件ごとに異なるオペレーターが使用するため、初心者でも簡単に操作できることが重要でした。他の機材も検討しましたが、直感的な操作性から HELO Plus が最適であると判断しました」

小山氏「システム要件の一環として、2 つの異なるビットレートで同時に配信可能な機材を探していました。その点も HELO Plus を選んだ決め手です」

AJA 社の配信エンコーダー『HELO Plus』による万全のバックアップ体制

◾️ AJA 社の SDI ルーター『KUMO 6464』で多数の入出力を効率的に制御

e スポーツ配信では、ゲームや選手の映像など入出力が多く、多数の同軸ケーブルを接続する必要がある。こうした複数の SDI 信号の管理には、AJA 社のルーター『KUMO 6464』が不可欠だ。『KUMO 6464』は、薄型の 4RU サイズに、64 系統の入力および出力を搭載した信号制御用のデバイスで、SD-SDI / HD-SDI / 3G-SDI の接続性を備えている。NiTRo が担当する e スポーツ配信では、KUMO 本体に搭載されているすべての入出力を、最大限に活用している。

岩原氏「e スポーツ配信の際にはすべての入出力を使用しますが、小規模な配信では必要な入出力数だけ使用しています。配信の規模に応じて柔軟な運用ができるようになっています」

AJA 社の SDI ルーター『KUMO 6464』で多数の入出力を効率的に制御

多用途に対応できる新しいスタジオで、安定した配信・制作環境を提供

『M-CUBE』では、放送業界で信頼性の高い AJA 社の『HELO Plus』を導入したことにより、万全のバックアップ体制を確立すると共に、AJA『KUMO 6464』を用いた入出力信号の効率的なルーティングを実現した。これにより、限られたスペースを有効活用しつつ、安定した配信・制作環境の提供が可能となった。NiTRo 社内では、今回のリニューアルにより、オペレーションが容易になったとの声が上がっている。

岩原氏「システムの構築にあたり、検証を重ねて目的に適した機材をじっくり選定しました。想定通り安定した運用が実現できています」

多用途に対応できる新しいスタジオで、安定した配信・制作環境を提供

『M-CUBE』は新橋駅から徒歩圏内にあり、日本テレビに隣接しているため、必要に応じてテレビ局の施設も利用可能だ。社内には CG 制作部門もあり、バーチャル演出を取り入れた番組では、CG セットの制作から配信まで、一括でコーディネートすることが可能だ。さらに、『M-CUBE』には編集室も併設されており、収録・編集にも対応できる環境が整っている。何よりも、NiTRo がこれまで培ってきたテレビ番組の制作技術・ノウハウにより、放送品質の映像制作を提供できることが同スタジオの強みである。

NiTRo は今後、e スポーツに限らず、エンターテイメントや企業イベントなど、『M-CUBE』の活用機会を拡大していく方針だ。

導入製品

取材協力

M CUBE

販売元

三友株式会社

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