AJA ColorBox でリモートカラーマネジメントワークフローを実現
ストリーミングが普及した現在、大規模な企業イベント、ソーシャルメディアのショートムービー、ライブコンサートなど、規模や内容を問わず、視聴者は高い品質をコンテンツプロバイダーに求めている。テクノロジーおよびサービスのプロバイダー Hash Pixel 社は、クライアントによる洗練されたビデオ配信を支援するため、ストリーミングおよび放送プロジェクト向けのワークフローを開発、実装している。2020 年に設立され、中国の北京に拠点を置く同社は、CM 制作に携わる DIT (デジタル・イメージング・テクニシャン) のサポートも行っている。
多岐にわたるプロジェクト要件に対応するために Hash Pixel が選んだのは、汎用性と安定性に優れた AJA の製品だ。同社がいち早く導入した AJA ColorBox は、本格化した HDR プロダクションの要求に応えるためには不可欠だ。先日、私たちは Hash Pixel の CTO、Hugo Wang 氏と面会し、この若いメディア会社とそのプロジェクトについて詳しくお話を伺った。
Hash Pixel 社について簡単に紹介してください。
当社は、さまざまなプロジェクトに技術的なサービスとソリューションを提供しています。HUAWEI CONNECT のような大規模イベント、HUAWEI PGC の eコマースの配信、TikTok コンサート「You Came with the Light」、ゲーム大会「JJ Cup Doudizhu (Fight the Landlord)」の決勝戦、映画「Sacrifice」、中国の自転車共有サービス Hellobike の発表会などを手がけました。また、ほとんどのストリーミングイベントで、TikTok、BiliBili、闘魚 (Douyu)、WeChat ビデオチャンネルといったインターネット上のプラットフォームにビデオを送出しています。少数の技術者が私たちのチームを支えています。
AJA 製品は御社でどのような役割を果たしていますか?
AJA 製品は非常に安定しています。私が 2012 年に購入した KONA 3G は、今でも現役です。つまり AJA 製品の導入は、究極的な時間と費用の節約になります。また、驚くほど汎用性が高い製品ばかりです。Hash Pixel は多様な業界の方と一緒にお仕事をさせてもらっているので、クライアントさんもターゲットの視聴者さんもさまざまです。
当社はリモート IP プロダクションや SD-WAN を対象に、独自の IP ビデオソリューションを開発しました。このソリューションでは、ColorBox を介して、リモートでコンテンツの色を調整できます。コントロールパネルは北京の自社サーバーにありますが、ColorBox を使用すれば、ライブ画像や最終ファイルのパラメーターを簡単に調整できます。
Ki Pro Ultra 12G、Ki Pro Go、Ki Pro Rack、KONA 4、Io 4K Plus、Io X3、UDC、Hi5-4K-Plus、U-TAP SDI、U-TAP HDMI、KUMO 1616、FS-HDR など、多数の AJA 製品を導入しています。
ColorBox を導入したきっかけを教えていただけますか?
AJA の販売代理店 Esan が ColorBox を紹介してくれました。中国の ColorBox ユーザーの最初の 1 人になれて光栄です。当時、私たちは HDR ワークフローに対応できるソリューションを探していました。そんなとき、ライブ放送、ライブイベント配信、ポストプロダクションのさまざまな色変換ニーズに対応できる、高性能なカラーマネジメントソリューションがあると聞いたのです。ColorBox は私たちのワークフローに正に最適で、リーズナブルな価格である上に、12G-SDI にも対応しています。オールインワンの理想的なソリューションです。
ColorBox をどのように活用していますか?
ColorBox とビデオスイッチャーからの PGM 信号を接続し、色変換を行い、その出力を当社の収録および放送部門に送信しています。ColorBox は、当社で必要としているすべての HDR 変換および SDR 変換に対応しています。そして DIT は簡単に設定をダウンロード、調整、保存できます。また、ColorBox の SDI 出力には信号のメタデータが保持されているので、IN2CORE 社のビデオアシストシステム QTAKE との併用も安心して行えます。
ライブプロダクションワークフローで 4K ストリーミングおよびレコーディングが一般的になると、12G-SDI に対応している当社のシステムは欠かせなくなりました。ColorBox のフレーム保存機能のおかげで、バージョン違いや高解像度のコンテンツ制作における、コンテンツ毎に異なるさまざまなカラーグレーディングニーズを簡単に管理できます。また、レンズから直接スクリーンショットを撮ったり、メタデータの取り込みも行えます。映画制作では、DIT はライブ 4K モニタリングにも活用しています。
プロダクションでお使いいただいている他の AJA 製品について教えてください。
FS-HDR を使用して、色変換、フレーム同期、AES、MADI、SDI のオーディオエンベッドおよびディスエンベッドを行っています。FS-HDR には、1 台にいくつもの機能が搭載されています。コンパクトかつプロダクションのニーズを満たす複数の機能を備えたデバイスが、私たちの理想です。
また、HDR プロダクション向けに、カラーソフトウェアから SDI の HDR 信号を確認用の HDMI モニターに正しく伝送するためのツールとして、AJA の Hi5-4K-Plus を使用しています。すべてのパラメーターが確認できる機能を非常に気に入っています。Mini-Config 管理ソフトウェアとの間での信号の入出力、設定は UI から明確かつ詳細に確認できます。
AJA の Io 4K Plus を Mac の QTAKE ソフトウェアと組み合わせて使用しています。AJA の Io 4K Plus は安定性が高いだけではありません。さまざまなビデオカメラブランドの HANC や VANC などの SDI エンベッドメタデータに申し分なく対応している点も重要です。通常、AJA の KUMO 1616-12G ルーターと併用しています。このルーターは驚くほど薄いため、システム統合はとても容易です。AJA 製品は QTAKE のソフトウェアとの互換性が非常に高いので、QTAKE のシステムを介して簡単に KUMO に変更を加えられます。
ColorBox について
AJA ColorBox は、放送、ライブイベント、撮影現場での変換ニーズを満たすために設計された、カラーマネージメントワークフロー用のコンパクトで高性能なコンバーターです。SDR (スタンダードダイナミックレンジ)、HDR (ハイダイナミックレンジ)、WCG (広色域)信号に対応し、12G-SDI または HDMI 2.0 ケーブル 1 本で、4:2:2 10bit 60p または 4:4:4 12bit 30p までの 4K/UltraHD HDR に対し、独自の色処理パイプラインを実現します。ColorBox には、Colorfront と NBCU LUT による処理パイプラインモードや、強力な AJA Color Pipeline が搭載されています。また、BBC HLG LUT や ORION-CONVERT エンジンなど、高度なカラーマネージメントワークフローに適応するライセンス可能なアップグレードオプションも用意されています。
導入製品
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当資料は、現地時間 2023 年 3 月 20 日にメーカー発表されたプレスリリースの抄訳版です。
メーカーリリース原文 : https://www.aja.com/news/story/2131-how-hash-pixel-makes-production-workflows-future-proof