米国報道発表資料抄訳 - 2017 年 9 月 26 日
IBC 導入事例 : Ki Pro Ultra Plus
C-Mount Industries 社の共同経営者 Jason D Liquori 氏は、映像制作機材一式のレンタル業に成功した、経験のあるプロデューサー兼ビデオエンジニアであり、さらに撮影監督でもあります。
CBS 放送の番組 “The Late Late Show with James Corden" へ機材を貸し出す一方、Liquori 氏は長寿コーナー "カープール・カラオケ" のビデオエンジニア兼車両担当の撮影監督として招かれました。Apple® 社の新しい音楽ストリーミングサービスでも最近認可されたカープール・カラオケシリーズは、John Legend や Alicia Keys といった著名人を組み合わせて、いつでもどこでも一緒に歌えるアドベンチャーとして人気です。Liquori 氏のこのシリーズでの経歴を見て、当番組の制作会社 fullwell 73 は "カープール・カラオケ" を HD から4K シリーズに展開させるための助言を彼に求めました。
“カープール・カラオケ” は元々、GoPro カメラを用いて HD で収録された 5 〜 10 分間のコーナーでした。Liquori 氏の最初の任務は、ワークフローを 4K 放送向けに再現し、尺を 30 分に延長することでした。収録の際には主演タレント、Liquori 氏、そして制作チームは、一面機材に囲まれながら車両の中に最長 5 時間缶詰になる必要がありました。また 4K への移行には、センサーサイズの大きい 4K カメラと頑丈な収録機が必要でした。収録機は、長くなった収録時間枠に対応し、悪路での揺れや車内の高温に耐えうるもので、かつポスプロチームに素早く素材を渡せるように ProRes XQ を SSD メディアにキャプチャできるものでなければいけませんでした。数多くの 4K 収録機をリサーチした結果、Liquori 氏は AJA 社の 4K/UltraHD/2K/HD レコーダー兼プレイヤー、Ki Pro Ultra Plus (KPUP) を選びました。
Liquori 氏は次のように述べています。
「Ki Pro Ultra Plus は私たちが求める条件全てを満たしていました。AC/DC 電源供給、デュアル・スロット収録、自動ロールオーバー(リレー記録)機能、路上に障害物があったとしてもそれに耐えうる頑丈なメディア、そして熱耐性。実際のところ、車両後部の温度は最高 40℃ にまで上がります。数多くの 4K ProRes 収録機を試しましたが、どれも 26TB/日の収録に耐えられませんでした。大物スターとの仕事では、収録内容が確認できるモニター出力は不可欠です。頻繁に撮影の中断が発生しないようにすべてを順調に進めなければいけないのです。このモニター機能は、Ki Pro Ultra Plus のユニークな機能です。」
Liquori 氏の撮影環境は大掛かりで、メインとなる車両の後部座席に設置された専用のヘッドレストマウントとフロントガラスの間に合計 12 台のカメラが散りばめられています。それぞれのカメラからは 6G-SDI の 4K 信号が出力され、12 台の 4K SDI マルチプレクサーに送られます。そこで各 6G-SDI の 4K (シングルリンク) 信号をクアッド SDI (マルチリンク) 信号に変換し、メイン車両後部の専用 18 インチラックに設置されている 12 台の Ki Pro Ultra Plus に入力します。そうして送られた信号は、4K 29.97 の Proes XQ コーデックで AJA Pak SSD メディアに収録されます。どの KPUP もギャング収録向けに CAT5 (Ethernet) ケーブルでネットワーク化されており、複数台を同時に収録開始 / 停止ができるようになっています。また KPUP は信号を 1080p にダウンコンバートできるので、ワイヤレスレシーバー経由で、他 2 台の車両では 17 インチの HD-SDI モニターで確認できるようになっています。モニター上では、スクリーン上の画やタイムコード、VTR のステータス表示ができます。それぞれの撮影が完了すると、AJA Pak ドライブは番組のポストスーパーバイザーに手渡され、AJA Pak Dock メディアリーダーを使って USB 3 または Thunderbolt 経由でホストコンピューターに接続されます。
最新のシーズンでは、Liquori 氏は合計 220 TB を超える 48 時間以上のビデオを収録しました。KPUP のロールオーバー収録機能と一貫した電源供給によって、撮影を順調に続けることができました。
「タレントとの車内での時間は一秒も無駄にできません。頻繁に中断することなく 12 台の Ki Pro Ultra Plus で撮影 / 収録することは、笑いの流れを損なわないためには必要不可欠です。Ki Pro Ultra Plus はコンパクトかつ XLR コネクタータイプの DC 電源で稼働できるため、追加でコンバーターを用意したり、車両電源を圧迫したりすることなく制作を進められました。」
と Liquori 氏は述べています。
「技術障害のトラブルシューティングに掛ける時間が減り、街中を駆け抜ける時間が増えたことで、番組の質を向上することに注力できました。」
制作を通して、Liquori 氏は AJA のサポートは連絡しやすく協力的だったと感じていました。
Liquori 氏は今回のインタビューを以下のように結んでいます。
「AJA のサポートチームは責任以上のことをやり遂げてくれ、AJA 製品について熟知しており、どのようにしたら他のツールと組み合わせて使用できるかということも教えてくれました。私たちのカメラやマルチプレクサーで何か課題にぶつかった時には、彼らの事務所に実際の状況を再現し、原因を解決するための助言も行ってくれました。」
Ki Pro Ultra Plus について
Ki Pro Ultra Plus は、1、2、3 もしくは 4 チャンネルを最大 1080 60p の HD で同時に収録が可能なマルチチャンネルレコーダーであり、かつシングルチャンネルモードでは、フル HDMI 2.0 入出力 (最大 12 ビットのキャプチャおよび出力) に対応した 4K/UltraHD/2K/HD 収録およびプレイバックが可能です。
3G-SDI、HDMI 2.0、オプションの光ファイバー接続など、幅広い I/O への柔軟性と接続性を 2RU ハーフラックサイズに収めました。Ki Pro Ultra Plus は、高画質で 4K/UltraHD と HD ビデオをキャプチャします。コーデックは、プロダクションで広く普及している Apple ProRes と Avid DNxHD MXF に対応しています。
キャプチャ中も 4 チャンネルは Ki Pro Ultra Plus の LCD 画面上に 4 分割で表示されるため、モニタリングが可能です。また HDMI、 SDI、光ファイバーそしてウェブベースの UI へも、同様に 4 分割出力が可能です。
AJA Video Systems について
1993 年の創業以来、AJA Video Systems 社はプロフェッショナルな放送、ポストプロダクション業界に向けて高品質でコスト効率の高いデジタルビデオ製品を供給する、ビデオインターフェイスや変換ソリューションの大手メーカーです。 AJA 製品の設計・製造はカリフォルニア州グラスバレーにある自社の施設内で行われ、世界中のリセラーやシステム インテグレーターを通じて広範囲なチャネルに販売されています。詳細については、AJA Video Systems 社のウェブサイトをご覧ください。
- ウェブサイト : www.aja.com
- ウェブサイト [日本語] : www.aja-jp.com